新卒を捨て、ドイツ生活を選んだ翻訳者の道のり(5)~翻訳者になる!~
公開日: 2015年12月26日土曜日 ドイツ語 ドイツ生活 生き方 働き方
どうも、tomo(@tomotaka223)です!
前回まで書いてきたように、迷いながらも、自分の目標のために腹を括って、ドイツに渡ってきました。しかし、人間の性格はそう簡単には変わらないもの。自分の進路について悩む時間は少なくありませんでした。
今回は、そんな僕がドイツ生活の中で翻訳者になろうと思った理由、また、実際になるまでの道のりについて。
”「こんなことをしているんだ」と叫ばなければ、誰も気づいてくれない”
ドイツ生活開始!
インターンシップの採用通知をもらい、少しづつ準備を進めはじめたのが2015年12月。卒業まで約3カ月。親にはこの段階になってようやく、ドイツに行くことを打ち明けました。 「何だかそんな気がしてた」という母の反応が、言葉では表しにくい、でも心地よい感情を僕に与えてくれたのを覚えています。
そして4月、多くの友人がスーツ姿で社会人となっていくなか、僕は一人、軽い疲労感に襲われながらも、どんな生活が待っているのかという期待を胸にフランクフルトの地に足を踏み入れました。
僕のドイツ生活は、
土曜日:インターンシップ先でのゼミ
日曜日:サッカースクールのコーチ
平日 :語学学校
というサイクルでしばらく進んでいきました。
日本の大学で受けていた授業とはまた違い、生きたドイツ語を学んでいる感覚が新鮮で、毎日ドイツ語に触れられるのが幸せでした。
ただ・・・
翻訳家になりたい!
ほとんど話せずに授業を終えては、「明日こそ!」と思って予習復習をし、思いつく限り様々な勉強方法も試しましたが、それでもなかなか話す力がつきませんでした。
(現在も日々、自分に合った方法を試し続けています。今後少しずつ紹介していくつもりです。)
その代わり、もともと自信のあった読む力はドイツに来てからも伸びる実感を得られたのです。語学学校のクラスメイトにも、リーディングと文法にかけては一目置かれる存在でした。
外国語を学ぶ上で、読むことは大切だとよくいわれます。僕は、小説や新聞、雑誌など、興味の持てるものを手当たり次第に読みました。
「翻訳者としての自分」を意識し始めたのはこの頃です。
読むことが好き。 新しいことを学ぶのが好き。
そして、この好きを最も生かせる道は”翻訳家”ではないか
と考えました。
それに、僕の追求している働き方・生き方にもぴったりと当てはまる気がしたのです。
会社に雇われて“言われた通りのことをこなす”のではなく、“自分の能力や興味を生かす働き方”が僕の理想です。
まだまだ世間知らずの23歳が何を言ってるんだと思われるかもしれませんが、「誰もが、自分の能力や関心に合った働き方を追求すべき」だと僕は考えています。
・ドイツ語を「読み、新しいことを学ぶ」という自分の好きを生かせる。
・自分の働き方の理想に適っている。
この二つが、僕が「翻訳者になる」という目標を立てるきっかけでした。
翻訳家になる。
翻訳の仕事を見つけるため、僕はさまざまな翻訳会社のHPを見て回りました。
そこで早速壁にぶつかることになります。ほとんどの会社が、「実務経験○年以上」といった応募条件を出しており、また独日翻訳となると、募集すらしていない会社が多いんです。
未経験の僕は、「やりたいことが分からない」と悩んだ就職活動時とはまた違い、「やりたいのにできない」状況に悩まされることになりました。「ドイツ語 翻訳 募集」などと検索しては、「未経験不可」の文字に一蹴され、検索しては、一蹴され、の繰り返し。
経験や実績がない人には入口さえ開かれない世界なのかと、自己嫌悪に陥りかけていたとき、あるブログと出会いました。
それは、ベルリン在住で翻訳家・ライターとして活動しているwasabiさんのブログです。
僕が初めて読んだのが
「新卒を捨て、いきなり海外でフリーランスになってみて思うこと」という記事。
僕と同じように新卒を捨てドイツにやってきて、海外でもできる翻訳・ライティングの仕事をフリーランスとしてやっているとのこと。wasabiさんは記事の最後に、
「この記事が一歩を踏み出したい方への応援歌になれば本当に幸いです。」
と書いています。
僕にとってこの記事がまさに「一歩を踏み出す応援歌」になったのです。
未経験とはいえ、語学力に自信はありました。はじめから実績のある人なんていません。
ならば「実践あるのみ」。できることをやる。考えられる手段はすべて使う。
僕は、翻訳家・ライターと名乗ることにしました。
「こんなことができます」と、いろんな人に声をかけました。
その結果、初めてお仕事をいただくことができたんです。
また、取材や海外生活を通じての情報や自分の考えを発信しているという点でも、wasabiさんのブログに刺激を受けました。
フリーランスとしてやっていくには、自分という人間の存在・活動を周りに知ってもらう必要があります。
「こんなことをしているんだ」と叫ばなければ、誰も気づいてくれません。
僕が翻訳者としてのスタートを切り、ブログで自分という人間を発信するきっかけとなったのは、wasabiさんのブログとの、そしてwasabiさんの生き方との出会いだったといえます。こんな道を辿ってきた人が実際にいると知ることで、僕は力をもらいました。
この記事が誰かの応援歌になってくれれば。
僕の経験を伝えることで、誰かに少しでも力を与えられれば。
そう思って書きました。
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