週休2日制という「常識」を疑ってみた。新しい働き方を模索するドイツ企業の事例。

公開日: 2016年3月10日木曜日 ドイツ 働き方


 どうも、tomoです!

好きな場所で、好きな時間に働く。

そんな自由な働き方を求める人が増えています。

 そんな人々の考え方の変化に、企業も対応していかないといけない。

 新しい働き方を提案するドイツ国内の企業に与えられる「ニュー・ワーク・アワード」が先日発表されました。そこで第3位に選ばれたBike Citizensは、2015年から導入した週休3日制が評価されたようです。

 きっかけは、週休2日制という“常識”を疑ってみたこと

 新しい働き方を考えるときに大切なのは、<これまでの常識をそのまま鵜呑みにしてしまわないことじゃないでしょうか?






 週休3日制を導入したBike Citizens


 ドイツでアプリ開発に取り組む企業2014年7月から週休三日制を取り入れ、社員の余暇の時間を増やしました。

 そんな新しい働き方を取り入れた企業の社長が、インタビューで週休3日制導入のきっかけを語っています。



>>以下、インタビュー記事より
―「週休3日制の導入に至ったきっかけは?」
“世の中の当たり前を疑う人が少なすぎるんです。週に日働くとして、仕事がある日と休みの日の割合を計算してみたら、休み1日に対して2日働くことになる。でもこれを週4日労働にしたら? 1日働いて、1,3日休みでほぼ50:50。一週間に働く日を一日減らすだけでこの違いは大きいと思いませんか?
 
「仕事」は、いままでは費やした時間で測られることが多かったんです。いまでも、働けば働くほど成果が上がる」という考え方が一般的なのかもしれません。
 
 しかし、コンピュータや機械がさまざまな人間の仕事を代わりにやってくれるようになっています。コンピュータや機械をどう使うか、その戦略を考えるのが人間の仕事です。
 
 そういう仕事の質は何で決まるか? ―人間の創造力です。創造力を発揮するためには、物事の見方を変えなければいけません。でも、視点の変化は必ずしも仕事の時間中の訪れるわけではないですよね。会社にいない時間に仕事のアイデアが浮かぶかもしれない。ふとした瞬間に思い浮かぶアイデアを逃さないためには、「仕事」と「生活」の区別を明確にしすぎない方がいいんです”


―「働く時間が減ることは働く側としては嬉しいと思いますが、企業としてはどうですか?」
“この働き方は、働く側だけでなく企業側にもメリットがあります。社員が働く日数を減らすことで、企業側としては人件費を削減できるんです。一方、自由に使える時間が増えた社員の満足度はアップする。いわゆるWin-Winの関係ですね。 
会社にいなければいけない時間が減る分、プライベートの時間が増える。プライベートを含めた生活全体の質が上がると、仕事への取り組み方も変わる。

週休2日制というこれまでの常識を疑い、社員の働きやすさ・生活全体の質を改善するために導入した週休3日制。社員の病気率が減ったり、仕事への満足度が増したり、いまのところポジティブな効果をもたらしているようです。



 週休3日制にするメリット


 また、ドイツ語版ハフィントン・ポストの記事によると、週休3日制には以下のようなメリットがあるそう。


短時間労働が創造力を伸ばす


 働きすぎる社員は、雇用している側にとってもプラスにはなりません。長く働けば、成果が上がるわけではないから。そのことに気づき、労働時間や残業を減らす企業も出てきています。
 ドイツでベスト企業に選ばれたボッシュの人事部長の言葉を借りると、「働く環境に満足している社員の方が、創造力を発揮しやすい」そう。



自由な時間が増えることで、個人の才能や関心を生かせるようになる


 経済学者デビッド・スペンサーは次のように主張します。

 “週7日のうち5日も働いていると、各個人の才能を生かすチャンスがなくなる。多くの人は仕事に必死で、、自分自身のために使うエネルギーや時間がほとんどない。個人の才能や潜在能力を伸ばすチャンスが、仕事につぶされている”


仕事の効率が上がる


 長く働けばいい仕事ができるわけではなく、企業にとっても無駄な人件費を割くことになりかねません。スタンフォード大学の研究によると、一定の時間を境に仕事の効率はほとんど上がらなくなるそう。


労働時間が減ると、幸福度が増す


 6時間労働が導入され始めているスウェーデンを中心に、ワーク・ライフ・バランスのとれた国が集まる北欧では、世界幸福度ランキングでも上位を占める国が多い。また、人口の半分がパートタイムというオランダも、世界幸福度ランキングで7位。

労働時間が短くなると、仕事の効率が上がるだけでなく、仕事以外のところで生活の質が増す。つまり、働く時間が短くなれば、幸せになるそうです。


自分の仕事のポジティブな面を見るようになる


 労働時間が短くなり、身体的・精神的な負担が減ると、働く人のストレスが和らぐだけでなく、自分の仕事の良いところに目が向くようになります。その結果仕事の質が上がり、イライラしながら働くよりアイデアも出やすくなるそうです。



 最後に


 「創造力が増す」とか「仕事の効率が上がる」とか、どれもはっきりと数字で測れるものじゃないので、どうも簡単に納得はできないですね。

 幸福度にしても、個人の主観によるところが大きいし、実際に体験してみないと分からないというのが正直なところ。1日10時間働いているとしても、仕事自体が楽しくて幸せならそれでいいと思います。

 それでも、たしかなことが1つ。それは、今回紹介したBike Citizens の週休3日制に限らず、新しい時代の新しい働き方をつくっていくためには、これまで当たり前だった働き方を疑い、実際に行動に移す人や必要だということ。

「働き方」について、考えるだけでなく、実際にやってみないと分からないことが多いです。とはいっても、それってそう簡単にできることじゃないですよね。会社や社会にはそれぞれルールがあるので。

 でもたまには、今の自分の働き方を疑ってみることがこれからはさらに重要になってくる。そんなとき、いろんな国のいろんな働き方が何かのヒントになると思うんです。だからこのブログでも、ドイツの働き方に関する情報を届けていくつもりです!

 それでは!
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4 件のコメント :

  1. こんにちは。新卒での海外移住に興味がある者です。今フランス語圏に留学していて、仏日翻訳者になりたいと思っています。そこで質問なんですが、ドイツ語のレベルはどのくらいですか?言語が違うので比較対象にはならないかもしれませんが、翻訳をするにあたってどのくらいの語学力が必要なのかぜひ知りたいです。

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    1. こんにちは、コメントありがとうございます。

      翻訳と一口にいってもいろいろな種類があるので、どれを目指しているかによって必要な能力も変わってきます。例えば、産業翻訳・技術翻訳などであれば、語学力より専門知識が求められます。

      なので、まずはどんな翻訳者になりたいのか考えてみるといいですよ。
      僕の場合、がちがちの翻訳というよりは自分の考えも書きたいと考え、「翻訳者・ライター」として活動を始めました。

      ちなみにドイツ語のレベルとしては、「ドイツ語検定準1級」を持っている程度です。

      うまく答えられているかわかりませんが、また質問があればぜひご連絡くださいね。

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    2. すみません、お返事したと思っていたのですが反映されていなかったようです。お返事が遅れてしまい、失礼しました。

      ありがとうございます。参考にさせていただきます!

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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