「楽しい」人生=「楽」な人生ではない~中田英寿さんのインタビューを読んで~

公開日: 2016年1月22日金曜日 海外 生き方


 どうも、tomoです!


 最近Newspicksに掲載されていた元サッカー日本代表・中田英寿選手のインタビュー連載を読んで、彼の考え方にすごく共感しました。引退後、世界各国・日本各地47都道府県への旅を通じてたどり着いた彼の第二の人生から、僕が感じたことを書いてみたいと思います。

 とくに共感したポイントは、

「世界に出て、自国を勉強しようと思った」
「何かを伝えるには情報を増やすこと」
「”楽しい”人生は”楽じゃない”」

 という3点です。
 




 日本の文化と世界をつなぐパイプ役


 中田英寿さんは21歳でイタリアのセリエAに渡り、29歳でサッカー界を引退するまで海外生活を続けたあと、約3年間世界を旅しました。そしてそれから、日本の47都道府県を6年半かけて回ることになるのですが、その理由は「自国の文化を勉強するため」。

 海外の人との会話で必ず出てくるキーワードが「日本」。

  そこで、”日本人である自分が自分の国のことを知らないっていうのは、ちょっと寂しい”と感じ、日本全国への旅を決めたそうです。

 国籍が違う人同士が話すとき、もちろんお互いに相手の母国が気になるので、会話のテーマになることも多いです。そこで自分の国をうまく伝えられないのは寂しい。何度か書いてきましたが、これはドイツで生活し始めて僕自身実感していることでもあります。

 でも、中田さんも言っているように、海外に目がいきがちな時期があるからこそ、再び日本に目を向けたとき、その文化を海外と比べることで、本当の魅力が見えてくるのではないでしょうか。

 さらに中田さんは、日本全国の旅の中でとくに興味を持った「日本酒」を、海外に広める活動をしています。海外での経験を通じて、日本を勉強したいという気持ちが強まり、実際に出会った日本文化の魅力を海外に発信している。

 海外に出る人は、「日本と海外の架け橋」になることを多少なりとも意識すると思います。まさに中田さんはそのお手本となる活動をしているのだと感じました。そしていま、ドイツで活動する僕にできるのは、中田さんとは反対に、ドイツの文化を日本の人たちに伝えることなのかな、と思っています。


 

 文化を伝えるには、きちんとした情報の量を増やすこと


”どうすれば日本の文化をより多くの海外の人に受け入れてもらえると思いますか。”
という質問に対し、中田さんはこう答えています。
”まずはきちんとした情報量を増やすことでしょうね。僕たちだって、情報がなければ使い方がわからないものや、存在すら知らなかったはずの食べ物もいっぱいあるでしょう。けれど情報があれば、そこに抵抗がなくなる。どれくらい情報が世に出回っているかって、そのくらい大事なことだと思います。”

 僕たちがいま当たり前のように使ったり、食べたりしているものが、それを知らない人にとっては正体不明で、何をどうしていいかわからないために手を出せないということがあります。海外で出会う得体の知れないものを口にするのは、少しためらいますよね。

 でも、情報があれば抵抗感はなくなる。中田さんは、海外ではまだ認知されていない日本酒の情報を各国の言語で拡げ、文化の架け橋になろうとしています。「知らないから手を出さない」という心理的な壁を、情報を伝えることで取り除こうとしているのです。
 
 読んでいて、これは「もの」だけに限らないと思いました。

 最近、「海外在住フリーランス」の方のブログをよく読ませてもらってます。日本の大学を卒業して日本で就職するのが当たり前だと考えている人にとっては、これらのブログを読んで「海外在住」や「フリーランス」についての情報を得ることで、それまで視野にも入っていなかった未知の世界への抵抗感がなくなるのかな、と。

 つまり、
 「こういう人もいるんですよ」「海外ではこんなことがあるんです」という情報を増やすことで、なかなか一歩を踏み出せない人の抵抗感をなくせるのではないか

 これが、海外で活動する日本人の方のブログが持つ力の1つだと思うのです。
 
 僕自身もこのブログを、海外生活に必要な語学の勉強方法や地元情報も含め、誰かが行動する際の抵抗感を減らす情報を伝えるブログにしていきたいのですが、現状ではまだまだです。いろんな方のブログなどを読み、自分自身幅広い経験を積んでいこうと改めて自分に言い聞かせました。





 「楽しい」人生は「楽」じゃない


”楽しい人生というのは簡単じゃない。同じ字を使うが「楽しい=楽(らく)」ではない。”
と中田さんは言っています。

 楽しい人生を送るためには、その分苦労するし、努力も必要になる。

 その道のりはけっして楽ではない。

 でもその険しい道にチャレンジすることが、楽しい人生につながる。

 そしてそのチャレンジは、心から好きなことじゃないと続かない。

 サッカーにしても、日本酒を普及させる現在の取り組みにしても、決して「楽」ではないと思います。僕たちの想像をはるかに超える努力の結果、サッカー日本代表まで上り詰め、6年半におよぶ旅を通じて日本文化を学び、日本酒の普及に取り組む会社を設立しました。

 簡単ではないでしょうけど、

 「好き」をとことん突き詰めていった結果、それが「仕事」になり、「楽しい」人生を送っている

 のが中田英寿という人なんですね。

 楽じゃないけど好きなことに、どれだけのめり込んで、挑戦し続けられるか。

 そういう人生を送ることが「幸せ」なんだと僕は思います。


 最後に

今回は、僕の心にすーっと響く、「そうそう」と頷ける考え方がたくさんあったので、中田英寿さん のインタビューを紹介しました。

 とくに心に響いたポイントをまとめると、

 「海外と日本、両方の文化を知ること」

 「情報を増やすことで抵抗感をなくす」

 「”楽しい”と”楽”は違う」

 「”好き”を極めると仕事になる」




 僕にとっての翻訳やライティングも、「楽」なものではありません。うまく訳せなかったり、文章がまとまらずに、頭を悩ませることもあります。それでも、ぴったりとくる言葉を見つけたとき、なんともいえない「楽しさ」を感じられる。

 この「楽しさ」を味わうためには、「楽」ではない段階を乗り越える必要があるけれど、翻訳がライティングが「好き」だからこそ、「楽」ではない努力を続けられる。僕はそう感じています。

 まとまりのない文章になってしまいましたが、少しでも僕の言いたいことが伝わってくれると嬉しいです!


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