ただ仕事を分担するだけじゃない!~ドイツで広がるこれからの働き方「ジョブシェアリング」~

公開日: 2016年2月13日土曜日 ドイツ ドイツ生活 働き方



 どうも、いろんな「働き方」に興味のあるtomoです。


 「ジョブシェアリング」をご存知でしょうか?

 簡単に言うと、その名の通り「仕事をシェアしよう」という考え方です。

 1日8時間、決められた時間を会社で過ごす。そんな働き方をナンセンスだと考える若者や、育児のためにフルタイムでは働けない母親など、フレキシブルな労働体制への需要が高まっています。

 また、本来1人が埋めるポストを2人で共有することは、企業側にもメリットを生み出すんです。

 今回は、”これからの働き方の可能性「ジョブシェアリング」について”です!






 ジョブシェアリングって?


 「ジョブ・シェアリング」とは、通常、フルタイム勤務者1人で担当する職務(ポスト)を2人以上が組になって分担し、評価・処遇もセットで受ける働き方。仕事と育児、介護、勉強などとの両立を可能にするワークシェアリングの一形態で、より多くの人材に雇用機会を与える方法として注目されています。  ― コトバンク 

 
 「ジョブシェアリング」って、ようするに仕事をシェアして働く時間や仕事の量を減らす こと?
 「ワークシェアリング」とどう違うの?そう疑問に思って調べてみると、

 いわゆるワークシェアリングには、不況などで企業の業績が悪化した際に、従業員1人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体の雇用を守る「雇用維持型」と、短時間勤務を組み合わせることによって雇用機会を増やし、多様な人材を確保する「雇用創出型」の二種類があります。ワークシェアリングの一種であるジョブ・シェアリングは、おもに後者の目的で導入される制度です。  -日本の人事部

 つまり、仕事をシェアする際の理由によっていくつかの種類がある「ワークシェアリング」のなかでも、多くの人の雇用を確保するために一人ひとりの働く時間を減らそうという考え方が「ジョブシェアリング」なんです。


 Win-Win の働き方


 労働時間を減らし、家族や自分自身のための時間を確保できるのが、ジョブシェアリングが働き手にもたらすメリットであることは明らかです。

 では、企業にとってはどんなメリットは何でしょう?

 それは、個性の異なる2人のコンビが、フルタイム労働者1人より質の高い仕事を期待できること。1人の社員への負担を減らせるだけでなく、2人分の知識や経験を生かして仕事を進められる。

 いわゆる従来のシフト制やパートタイムとジョブシェアリングの違いは、ただ労働時間を人数で割るわけではないこと。ケースによってその比率はさまざまで、家庭やその他の状況に応じて仕事の時間や量を調整することもあるそうです。

 また、働く”時間や量”だけでなく、やるべき仕事の範囲をはっきりさせることで、各人が得意分野で能力や知識を発揮できるのです。

 仕事量をぴったり等分することより、目標をはっきりさせ、お互いに協力しながら、責任を持って自分の仕事をこなすことの方がはるかに大切。企業も、「決められた時間に働く」社員より、「責任を持って目標を達成する」社員を求めているはずです。

 ジョブシェアリングを通じて、働き手の生活の質と同時に仕事の質も向上すれば、働き手と企業がWin-Win が関係を築けるのです。
 

 ジョブシェアリングを支援するスタートアップも


「フルタイムで働くのは難しいけど、パートタイムによくある”ただこなすだけの仕事”をしたいわけじゃない。」

 そんな人たちと企業をつなげようとドイツで立ち上げられたのが、Tandemploy というスタートアップ。登録無料のプラットフォームを通じ、多くの人にジョブシェアリングのパートナーや就職先との出会いを実現させています。

 この Tandemploy の活動により、ジョブシェアリングを希望する人の年齢層や性別、それぞれの理由も見えてきたようです。
 
 ジョブシェアリングといえば、これまで一般的には、育児や家事はあるけど仕事もしたい若い母親向けの働き方でした。しかし最近はジョブシェアリングを望む父親が増加中で、約4000人いるTandemploy の登録者の30%が男性。

 また、「育児」「家庭」だけでなく、「ボランティア活動に時間を注ぎたい」「将来独立を目指している」など、ジョブシェアリングを通じて労働時間を減らす目的も人によってさまざまだそうです。



 これからの働き方


 今後この働き方が定着するかどうかは、まだ分かりません。もちろん、どんな職場にも適用できるわけではないでしょう。

 でも僕は、「ジョブシェアリング」がこれからの働き方の大きな可能性だと感じています。

 ただ単に労働時間を減らすのではなく、それぞれの強みや得意分野を生かせるように仕事を配分する。その結果、仕事の効率や質も高まる。つまり、働き手と企業どちらにとってもプラスになる。

 そんな「ジョブシェアリング」の考え方が、Tandemploy のような活動を通じて定着してゆけば、「好き」を極めた専門家が働きやすい社会になるんじゃないかと思います。

 前回の記事:「専門家になる」とはどういうことか考えてみた

 
 これからも常に目を光らせ、よりよい「働き方」の可能性を求めていこう。

 それでは!



<参考>
Berliner Zeitung


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